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フェラーリ初のEV「ルーチェ」試乗記 賛否両論も走りは本物と評判

2026年8月16日 19:00エンタモ編集部
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フェラーリが開発を進める同社初の完全電気自動車「Luce(ルーチェ)」に、米WIREDがローマでの正式発表前にプロトタイプで試乗した。デザインを巡って賛否が分かれる一台だが、実際の走行フィーリングは「驚くほど良かった」と報じられている。

物理学者CEOと元Appleデザイナーが手がけた異色のEV

フェラーリを率いるベネデット・ヴィーニャCEOは物理学者出身で、半導体業界出身という異色の経歴を持つ人物。ルーチェはイタリア・マラネロで開発されたが、デザインは元Appleのジョニー・アイブ氏が率いるカリフォルニアのエージェンシー「LoveFrom」が担当した。フェラーリの象徴である跳ね馬エンブレムも目立たず、伝統的な「一目で欲しくなる」デザイン哲学から大きく外れているとして、熱心なファンの間では賛否両論が巻き起こっているという。

タッチスクレスの内装、触感を重視した新しい操作系

試乗した記者によると、内装は明らかにApple的な発想を感じさせつつも、車としての「一番大切なもの」を再定義するような仕上がりだったという。アイブ氏はタッチスクリーンの搭載を拒み、代わりに触感やダイヤルの質感を極限まで高めたとされる。3本スポークのステアリングはクラシックなフェラーリのデザインを踏襲しており、「素晴らしい」と評されている。4ドア5シートのレイアウトで、後部座席の広さは「リムジンのよう」と表現されるほど、フェラーリ史上もっとも実用性の高いモデルになりそうだ。

低重心・軽量シャシーがもたらす軽快な走り

ルーチェは中空鋳造やアルミ押し出し材を組み合わせた新設計のシャシーを採用し、800Vのバッテリーをフロア下に低く搭載。これにより重心はSUV型モデル「プロサングエ」より95mm低く、旋回時のヨー慣性モーメントも15%少ないという。この物理特性のおかげで、車体は軽快に向きを変えられると記者は評価している。新開発の「ビークルコントロールユニット」が毎秒200回のペースで各輪の挙動を制御し、電気駆動ユニットの複雑さを感じさせない滑らかな加減速を実現しているとのことだ。

エンタモ編集部の視点

物理学者出身のCEOと元Appleデザイナーが手がけるフェラーリ初のEVという座組みは、老舗スーパーカーメーカーが電動化時代に生き残るための本気度を示している。デザインの賛否こそが、伝統との決別に挑む難しさを物語る。

内燃機関の象徴が電気を纏う意味

エンジン音こそがフェラーリの魂だと考えるファンにとって、EV化は受け入れがたいものかもしれない。しかし規制と時代の流れの中で、電動化は避けて通れない。跳ね馬のエンブレムを目立たせず、伝統的なデザイン哲学から外れた本作は、フェラーリが「過去の遺産」ではなく「未来のブランド」であろうとする挑戦の表れだ。走りが本物と評価された点は、内燃機関の記憶を電気の時代にどう引き継ぐかという難題への、一つの回答といえる。

スポーツカーがエンジン音を失うということ

高性能なスポーツカーの価値は、速さだけで成り立ってきたわけではありません。加速に合わせて変化する排気音は、体験の中核にありました。数字に表れない部分で、この音が所有の満足を支えてきた面があります。

電気自動車には、その音がありません。メーカーの選択肢は二つです。合成した音を出すか、静けさそのものを価値として提示するか。前者は本物ではないという批判を招き、後者は従来の顧客層と噛み合わないことがあります。

この会社にとって、事情はさらに込み入っています。エンジンは技術の看板そのものであり、ブランドの中身と切り離せませんでした。跳ね馬のエンブレムが目立たないデザインだという指摘は、単なる意匠の話ではないかもしれません。何を売っている会社なのかという定義そのものが動いている局面だと考えると、賛否が割れることのほうが自然に見えます。

出典:Wiredより。翻訳・要約はエンタモ編集部。

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