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Google、AI動画生成「Flow」で若手監督育成 短編映画11作品を上映

2026年8月11日 17:34エンタモ編集部
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Googleが開発するAI動画生成ツール「Flow」を使い、新進監督たちが短編映画を作る育成プログラム「Flow Sessions」の第4期上映会が、米ニューヨークのミニシアター「Metrograph」で開催された。6週間の集中プログラムに参加した監督たちが手がけた11本の短編作品が披露され、AI技術と映画製作の距離が縮まりつつある現状が浮き彫りになった。

「Flow Sessions」は、経歴も年齢もさまざまな新進監督たちに、Googleの短編動画生成AI「Flow」を無制限で使える環境と、複数回のメンタリングを提供する取り組みだ。プログラムには専属の「フィルムメーカー・イン・レジデンス」としてアンリ・ドーブレ氏が参加し、各監督のアイデアを映像化まで導いている。

専門的な映像制作経験がなくても物語を語れる時代に

ドーブレ氏は、AI時代においては専門的なクリエイティブの経歴がなくても物語を紡げるようになったと語る。撮影費やVFXのコストが高く、これまで形にできなかったアイデアを持つ人々にとって、AIが新たな「扉」になり得るという。

「(AIによって)多くの人にとって、新しい扉が開かれることになると思う」

会場も、以前のトライベッカ地区の小規模劇場から、シネフィルに人気の大型シアター「Metrograph」へと移された点も、Googleが映画業界にAIの浸透を印象づけたい意図の表れとみられる。

著作権への配慮も垣間見える作品群

上映作品は多彩で、子どもを持つかどうかの葛藤を描いた「Two Chairs」、地球最高のチーズバーガーを求めてやってきた宇宙人を描く「Nothin’ Beats a Cheeseburger」、ホラー要素を含む「Mascot」など、テーマも表現方法もさまざまだった。

一方で、著作権をめぐる業界の懸念も作品に影を落とした。瞑想をテーマにした短編「One Breath at a Time」では、劇中に映り込んだ「ゲームボーイ」のロゴがオンライン公開時にぼかされていたという。Googleはロゴの使用を明確に禁止していないものの、ぼかすよう提案していたと、ある監督は明かしている。

「本物」と「AI生成」の境界はどこに

「Mascot」の監督ダニエル・ガルシア氏によると、同作のメイキング映像として使われたビハインド・ザ・シーンズの映像すらも、実は全てAIで生成されたものだったという。ガルシア氏はこれを皮肉を込めた演出と説明しつつ、こう語った。

「もはや『見ること』は『信じること』にはならない」

Googleは映画スタジオDeepMindを通じてA24とも研究提携するなど、映画界へのAI浸透を積極的に進めている。今回の上映会は、その取り組みの一端を示すものといえそうだ。

エンタモ編集部の視点

上映会場を小規模劇場からシネフィルに人気の大型シアターへ移した点に、GoogleがAIを「映画文化の内側」に位置づけたい意図がはっきり表れている。技術デモではなく作品として観客に見せる姿勢は巧みだ。ただ、制作費の壁を取り払う「扉」という前向きな語りの裏で、映像制作を支えてきた職能や著作権をどう扱うかという問いは残る。AIが誰の物語を語るのか、その主語が問われる段階に入っている。

道具を無償で配ることは、標準を取りにいくこと

無制限に使える環境とメンタリングを、無償で提供する。この種の育成プログラムは、支援や慈善として語られがちですが、事業の観点から見ると別の意味を持ちます。

その道具に慣れた人が現場に出れば、その道具が前提になるということです。制作会社に入った人が使い慣れたものを提案し、チームがそれに合わせる。数年かけて、業界の標準的な工程に組み込まれていきます。

映像制作の分野では、この経路が繰り返されてきました。編集ソフトも、撮影機材も、学生や新人が安く使える形で広まり、その世代が現場の中心になったときに標準の地位を得ています。

「専門的な経歴がなくても物語を紡げる」という参加者側の言葉は、その通りなのでしょう。同時に、誰の道具で紡ぐのかという問いが背後にあります。11本の短編が上映されたという事実は、作品の発表であると同時に、その道具で作れることの実証でもあります。

出典:Varietyより。翻訳・要約はエンタモ編集部。

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