パリ近郊にマンガのテーマパーク3施設 総額60億ユーロ、1つはドラゴンボール中心か

パリ近郊にマンガをテーマにした大型施設が建つ、という発表がありました。うち一つがドラゴンボールを中心にした内容になると報じられています。出資はサウジアラビア。国も金額も、そして企画のきっかけも、通常のライセンス事業とはかなり違う経緯をたどっています。分かっている事実を整理します。
合意の内容
2026年8月24日、サウジアラビアのムハンマド皇太子がパリを訪問した際に発表されました。
- 場所:パリ北西のセルジー・ポントワーズ付近
- 規模:3つのパーク全体で60億ユーロ(およそ7000億円)
- 構成:3つのパークからなる複合施設
- 雇用:約2万2000人を想定
- 出資:サウジの娯楽・投資グループ キディヤ
- 開業:未定。建設に数年かかる見込み
きっかけは首脳同士の会話だった
この企画の出発点として報じられているのが、マクロン大統領がサウジアラビアを訪問した際の会話です。訪問の時期については2024年12月とする報道と2025年とする報道があり、報道機関の間で食い違っています。大統領と皇太子が、ともにドラゴンボールZの愛好者だと分かったことから話が始まったとされています。
国家間の大型投資が個人的な趣味から動き出すという経緯は、あまり例がありません。ただ、この作品が1980年代から世界中で読まれ、いま各国の意思決定層にその世代がいるという事実を考えれば、起こり得ることではあります。
サウジがエンタメに投資を続ける背景
資金を出すキディヤは、サウジアラビアが石油に依存しない経済へ移行するために作った娯楽事業の中核組織です。国内でも大規模な娯楽都市の開発を進めてきました。
今回のように国外の施設に投資するのは、その延長にあります。自国に人を呼ぶだけでなく、海外の娯楽産業そのものに持ち分を持つという動き方です。
日本の作品が、日本以外の二国間の合意によって、日本以外の場所で大規模に展開される。権利元が日本にあることを考えると、この構図自体が今後の参考例になりそうです。
エンタモ編集部の視点
首脳同士がドラゴンボールZの愛好者だと分かったところから7000億円の投資が動いた、という経緯そのものが、この作品の届いた範囲を示しています。ただし日本の作品が、日本以外の二国間の合意で、日本以外の場所に建つ。権利元は日本にあるのに、意思決定は外で進んでいる。ここは記録しておくべき構図だと考えます。
出典:ロイター、Euronews、The National などの各報道。構成はエンタモ編集部。