マキネス監督、出場停止処分に控訴 レンジャーズが全面支持

スコットランド・プレミアシップの強豪レンジャーズを率いるデレク・マキネス監督が、タッチライン4試合の出場停止処分を不服として控訴する方針を明らかにした。前所属のハーツ時代、セルティックに与えられたPKの判定を「disgusting(胸くそ悪い)」と表現したことが問題視されていた。
発端は5月の劇的な一戦
問題の場面は5月13日、セルティックがモザーウェルとのアウェー戦の終盤に獲得したハンドによるPKだった。イヘアナチョがこれを決めてセルティックが3-2で勝利。この試合結果は、その後の優勝争いにも影響する一戦だった。同じ夜にハーツを率いていたマキネス監督は、試合後のインタビューで判定への強い不満を口にしていた。
レンジャーズは「個人攻撃ではない」と主張
スコットランドサッカー協会(SFA)は、シーズン終了までの1試合分執行猶予を含む3試合の即時出場停止を科した。これに対しレンジャーズは、マキネス監督の発言は「審判全体への批判ではなく、あくまで一つの判定に向けられたもの」との見解を公式に示している。マキネス監督自身も次のように語った。
「私も、クラブも、この処分には納得していません。控訴できることをうれしく思います」
監督としての本音も吐露
マキネス監督は19年間監督を務めてきた経験を踏まえ、「物議を醸す判定について意見を求められるのは当然のこと」としつつ、「監督や選手が発言のたびに委縮しなければならない状況には注意すべきだ」と訴えた。処分が覆らなければ、7月31日のダンディー・ユナイテッド戦などレンジャーズの重要な試合でベンチに入れない見通しだ。なお、この判定を巡ってはモザーウェルや元同クラブの選手もSNS投稿を理由に処分を受けている。
エンタモ編集部の視点
一つの判定への抗議が4試合の出場停止に発展する厳しさは、審判の権威をめぐる欧州サッカーの緊張を映す。レンジャーズの「個人攻撃ではない」という主張は、批判の自由と審判保護の線引きという普遍的な難題に触れている。感情的な一言が重い処分を招く現状は、指揮官に高い自制を求める一方、判定への健全な異議申し立ての余地をどう残すかを問うている。
監督の発言に処分が出るのは、どういう仕組みか
各国のサッカー協会には規律を扱う委員会があり、審判の判定への公然の批判は処分の対象になります。今回のタッチライン4試合という処分も、この枠組みで出されたものです。
目的は二つあります。審判への圧力を防ぐことと、判定への信頼を保つことです。試合後の会見で強い言葉が出れば、それは報道され、次の試合を担当する審判にも届きます。批判が積み重なれば、判定そのものが萎縮しかねない。
処分の内容は、罰金とタッチラインへの立ち入り禁止が一般的です。監督が観客席から見ることになり、選手への指示が直接出せなくなります。試合の運びに実際に影響する処分だという点が、抑止として働きます。
今回目を引くのは、前の所属クラブでの発言が、移籍先で効いていることです。処分は個人に付くため、クラブが変わっても消えません。新しいクラブが全面的に支持する姿勢を示しているのは、この構造を踏まえたうえでの判断でしょう。
出典:BBC Sportより。翻訳・要約はエンタモ編集部。