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「ネットボール」2032年五輪種目入りへ?知られざる歴史と挑戦

2026年7月23日 23:48エンタモ編集部
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バスケットボールから派生した競技「ネットボール」が、2032年のブリスベン五輪で正式種目入りを目指しているとBBCスポーツが報じている。学校の体育の授業でおなじみのこの競技には、実は女性たちの解放と挑戦の歴史が刻まれているという。

英ラッパーのストームジーはネットボールを初めてプレーした際に指の靭帯を負傷したというエピソードも紹介されており、「非接触競技」とはいえ運動量の多さがうかがえる。

ゴミ箱がゴールだった誕生の瞬間

ネットボールの起源は1890年代半ば、スウェーデン出身の教育者マルティナ・バーグマン・オスターバーグが英国ダートフォードに設立した体育専門学校にさかのぼる。彼女は米国で1891年に考案されたばかりのバスケットボールにいち早く着目し、自校の学生たちに応用させた。当初は屋外の芝生に立てたポールの上に、紙くず入れの「ゴミ箱」を乗せてゴール代わりにしていたというから驚きだ。

やがてゴミ箱はネット付きのリングに置き換わり、ドリブルは禁止され、得点方式も独自に発展。1901年には最初の正式ルールが制定され、オーストラリアやニュージーランドにも競技が広がっていった。

女性解放の象徴としての競技史

オスターバーグは「女性は出産や家庭のために体力を温存すべき」という当時の風潮に反発し、女性の身体能力を科学的に鍛える教育を実践した人物だったという。ネットボール史を研究するオークランド大学のマーガレット・ヘンリー講師はBBCの取材に対し、こうした背景を説明している。まさにネットボールは「女性主導」で発展してきた競技といえる。

プロ化が進み、五輪の夢へ

近年、ネットボールは世界的にプロ化が進んでいる。オーストラリアのスンコープ・スーパーネットボールでは、トップ選手の年俸が6桁(豪ドル)に迫るとも報じられている。英国のネットボール・スーパーリーグも10年計画でプロ化の途上にあり、観客動員数はプロ化初年度に45%増加したという。

イングランド代表は2018年のコモンウェルスゲームズで金メダルを獲得し、2023年の世界選手権でも準優勝と好成績を残しており、こうした実績が競技人気を後押ししている。

「その競技をなめてかかったら痛い目にあう」

ネットボール関係者は、コモンウェルスゲームズの将来が不透明とされる中、より大きな舞台として2032年ブリスベン五輪への正式種目入りを目指している。長年、女性たちの努力によって育まれてきたこの競技が、次の大きな一歩を踏み出せるか注目される。

エンタモ編集部の視点

ゴミ箱をポールに乗せてゴールにしていた、という起源の具体性がこの記事の魅力です。同時に、競技の歴史が女性の身体教育をめぐる歴史と重なっている点も見逃せません。体育の授業でおなじみという入口から、思っていたより遠いところまで話が伸びていきます。

五輪の追加種目は、開催国の事情で決まる

近年の五輪には、開催都市が独自に種目を提案できる仕組みがあります。恒久的な競技とは別に、その大会限りで実施される枠です。

この仕組みで採用された例が、2020年東京大会の野球・ソフトボールや空手、2024年パリ大会のブレイキンです。開催国で人気があり、その国が世界に見せたい競技が選ばれやすいという性質があります。

ネットボールが2032年のブリスベン大会を狙っているのは、この構造を踏まえた動きです。オーストラリア、ニュージーランド、英国、ジャマイカといった英連邦の国々で盛んな競技で、開催国オーストラリアでは主要な女子スポーツのひとつになっています。

つまり今回の挑戦は、競技の実力や普及度だけの話ではありません。開催地がブリスベンであるという条件そのものが、最大の追い風になっています。この機会を逃すと、次にいつ同じ条件が揃うかは分かりません。

出典:BBC Sportより。翻訳・要約はエンタモ編集部。

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