ケイシー・マスグレイヴス「Mexico Honey」新MVでカラオケ熱唱

ケイシー・マスグレイヴスが、アルバム『Middle of Nowhere』収録曲「Mexico Honey」の新しいミュージックビデオを公開した。メキシコで撮影された今作では、マスグレイヴスがカラオケバーで自身の楽曲を熱唱し、タトゥーの入ったカウボーイと出会うロマンチックなストーリーが描かれている。
自分の曲をカラオケで歌うのは2度目
監督を務めたのはRunning BearのAlexa StoneとStephen Kinigopoulosのコンビ。実は、マスグレイヴスが自分の曲をミュージックビデオ内でカラオケ形式で歌うのは今回が初めてではなく、2018年の「High Horse」でも同様の演出が話題になった。今回はそのセルフオマージュ的な演出が改めて注目されている。
「Mexico Honey」はシングルでなくてもチャートイン
「Mexico Honey」は公式シングルとしてリリースされたわけではないが、Hot 100チャートにランクインしており、今月には最高59位を記録した。アルバム『Middle of Nowhere』はマスグレイヴスにとって6枚目のスタジオアルバムで、2024年発表の『Deeper Well』の後継作にあたる。
北米ツアーは8月にシカゴで開幕
マスグレイヴスは今後、北米ツアーをスタートさせる予定で、初日は8月21日にシカゴでの公演が予定されている。新作の勢いを保ちながら、ライブでも新曲がどう披露されるか注目が集まりそうだ。
エンタモ編集部の視点
自分の曲をカラオケで歌う演出のセルフオマージュに、マスグレイヴスの作家性がにじむ。シングルでない曲がチャートインする現象は、アルバム単位ではなくストリーミングで個別の曲が発見される現代の聴かれ方を象徴している。狙って売る時代から、聴き手が良曲を掘り当てる時代へ。楽曲そのものの強さが問われる構造への転換を、この一件は映し出している。
「カラオケで歌う」という演出が使われる理由
ミュージックビデオの中で、本人が自分の曲をカラオケとして歌う。この構成には、はっきりした効果があります。歌詞が本人の告白ではなく、劇中の行為になるということです。
通常のミュージックビデオでは、歌っているのは歌手本人で、歌詞はその人の言葉として受け取られます。カラオケという枠を挟むと、そこに一段の距離が生まれます。演じている人物が歌っている、という形になるためです。
この距離は、感情の強い曲ほど効いてきます。直接言えば重くなる内容を、酒場で歌っている場面として置けば、笑いや気まずさを混ぜられる。照れくささを演出として使えるということでもあります。
同じ手法を2018年にも使っているという事実は、この距離感がこの人の作風に合っているということでしょう。一度きりの思いつきではなく、選ばれ続けている手だと考えると、見え方が変わります。
出典:Pitchforkより。翻訳・要約はエンタモ編集部。