Xboxだけ前年比増も裏に事情、Switch2は依然首位を維持

市場調査会社Circanaが発表した2026年6月の米国ゲーム市場レポートによると、ハード・ソフト・周辺機器を合わせた業界全体の売上は前年同月比21%減の45億ドルとなった。そんな中、唯一ハード売上が前年を上回ったプラットフォームがXboxだったという。ただし、この「成長」には単純に喜べない事情がある。
Xboxの前年超えは「反動増」
Circanaによると、Xbox Series X/Sのハード売上は前年同月の2倍以上に伸びた。一見好調に見えるが、比較対象となる2025年5月はXboxにとって「歴代最低の5月」だったといい、その反動での伸びという側面が大きい。
Switch2は依然トップ、PS5は改善傾向
一方でNintendo Switch2のハード売上は前年同月比79%減という大幅な下落を記録した。これは2025年6月がSwitch2の発売月にあたり、米国史上最高のハード&周辺機器売上を記録した特殊な月だったためで、その反動が大きく出た形だ。それでもSwitch2は6月の販売台数・金額ともに首位を維持し、年間累計でもトップを走り続けている。PS5は前年比19%減で、5月の58%減から大きく改善した。
新作は「UFC6」が首位、話題のインディーも上位に
ソフト部門では、新作の中で「UFC6」が全プラットフォーム合計で最も売れたタイトルとなった。続いてSteamで話題を集めたインディー作品「Meccha Chameleon」が2位につけ、推定販売本数は400万本以上とされる。新作としてトップ10入りしたのはこの2作と「Star Fox」(4位)のみだった。全体のゲームコンテンツ支出は12%減となったが、サブスクリプション分野は7%増と、Circanaが追跡する項目の中で唯一プラスとなっている。
7月はアサシン クリード ブラック フラッグの新版や「EA Sports カレッジフットボール27」「Halo」の新作などが控えており、レポートの改善が期待されている。
エンタモ編集部の視点
「前年比増」の唯一のプラットフォームが、実は前年が最低だった反動という構図は、数字の一人歩きへの警鐘だ。Switch2の79%減も発売月との比較という特殊事情で、市場全体21%減という数字も含め、単月の増減では実態を捉えきれない。好不調を語るには基準となる前年の文脈が不可欠――データを読む際の基本を、この市場レポートは思い出させる。
「前年比」という指標の落とし穴
ハード売上が前年の2倍という数字だけを見れば、好調に見えます。ただしこの指標には、比較する相手がどうだったかで意味が変わるという性質があります。
記事にあるとおり、比較対象は「歴代最低」の月でした。低い水準の2倍でも、絶対値としては小さいままです。伸び率が大きいことと、水準が高いことは別だということです。
逆の見落としもあります。前年が絶好調だった場合、今年が十分良くても前年比では減少になります。数字だけを追うと、実態と逆の印象を受けます。
この月の実態をいちばん端的に表しているのは、業界全体が21%減という数字のほうでしょう。個別の伸び率より、市場そのものが縮んでいるという事実が先に来ます。前年比を読むときは、比較対象と絶対値を必ずセットで見る必要があります。
出典:Eurogamerより。翻訳・要約はエンタモ編集部。