実写『ルックバック』ヴェネチア映画祭コンペ部門へ 日本公開9月11日

画像:PLEASE READ - CAN YOU HELP? TIM NEEDS A JOB IN DOWNTOWN CHICAGO!/raniel diaz(BY 2.0) / 出典 / ライセンス(本文の内容と直接の関係はないイメージ画像です)
藤本タツキ氏の読み切り漫画を原作とする実写映画『ルックバック』が、第83回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映されることが発表された。同映画祭は9月2日から12日までイタリア・ヴェネチアで開催される。すでに5月にはカンヌ国際映画祭でもお披露目されており、世界的な映画祭での評価が続いている形だ。
是枝裕和監督がメガホン、音楽は坂東祐大
監督・編集・脚本を手がけるのは、『万引き家族』『そして父になる』などで知られる是枝裕和氏。音楽は『竜とそばかすの姫』や『怪獣8号』を手がけた坂東祐大氏(Taku Matsushibaとしても活動)が担当する。撮影や照明、美術など各パートにもベテランスタッフが名を連ねており、実力派の布陣で制作されていることがうかがえる。
日本公開は9月11日、北米ではTIFFでプレミア
日本での劇場公開日は9月11日と発表されている。北米では9月10日から20日まで開催されるトロント国際映画祭(TIFF)でプレミア上映される予定で、詳細な上映スケジュールは8月11日に発表されるという。配給会社GKIDSは、米国・カナダ・英国・アイルランドで2026年中に劇場公開する計画を明らかにしている。
アニメ映画版も高評価、原作は『チェンソーマン』作者
『ルックバック』は2021年に「少年ジャンプ+」で発表された読み切り漫画で、絵を描くことをきっかけに出会う対照的な性格の少女2人の成長を描いた作品。2024年6月にはアニメ映画版が日本で公開され、初週末の興行収入ランキングで1位を記録するなど話題を呼んだ。今回の実写化がどのような形で原作の魅力を映像化するのか、公開に向けて注目が集まりそうだ。
エンタモ編集部の視点
藤本タツキの繊細な読み切りを是枝裕和が実写化し、カンヌ・ヴェネチアと世界の主要映画祭を巡る流れは、日本の漫画原作が芸術映画として国際的に評価される新しい回路を示す。アニメ版も高く評価された作品をあえて実写で撮る意義は、是枝の作家性と原作の普遍性が交わる点にある。漫画・アニメ・実写が対立せず補完し合う成熟が、ここに表れている。
読み切り漫画を実写化するときの、尺の問題
原作は短い読み切りです。連載作品の映像化とは、抱える問題が正反対になります。削る作業ではなく、足す作業になるためです。
連載作品なら、膨大な内容から何を残すかを選びます。読み切りは逆で、原作をそのまま映像にしても長編の尺には届きません。前後の時間を描くのか、描かれていない場面を作るのか、あるいは間を長く取るのか。判断が要ります。
難しいのは加減です。足しすぎれば原作の密度が失われ、足りなければ短編になる。この作品の原作は、短さそのものが効果を生んでいる種類の作品なので、なおさら慎重さが求められます。
カンヌとヴェネチアの両方で扱われているという事実は、この作品が興行規模ではなく作家性の側で評価されていることを示しています。読み切りという原作の性質が、その方向と合っていたということかもしれません。
出典:Anime News Networkより。翻訳・要約はエンタモ編集部。