Galaxy Watch9は健康機能特化も見劣り?スクリーンレス型トラッカーが台頭

Samsungが「Galaxy Unpacked」で新型スマートウォッチ「Galaxy Watch9」を発表した。今回のプレゼンは健康機能一色で、登壇したのもSamsungのデジタルヘルスアルゴリズム部門トップだったという徹底ぶりだ。しかし業界では今、腕時計型を飛び越えた「スクリーンレス」健康トラッカーが急速に存在感を増しており、Galaxy Watch9の立ち位置には疑問符がついているようだ。
健康機能に全振りしたお披露目
発表では、5つの生体データを追跡する「Vitals」や、運動量と体力を管理する「Fitness Index」、精度が向上した睡眠時無呼吸検知など、健康関連の新機能が次々と紹介された。Samsungの購入ページやプレスリリースでも訴求点は健康のみで、公式コメントでも次のように紹介されている。
「Galaxy Watch9は、日々の活動と睡眠を無理なく継続的にトラッキングすることで、より健康的な習慣づくりを支える、ウェルネス志向のユーザーのための究極のパートナーです」
台頭するスクリーンレス型トラッカー
一方で市場は、腕に重さや存在感のあるデバイスを着けなくても健康データを取得できる方向へとシフトしている。Ouraを筆頭とするスマートリング型はもちろん、Whoopが手がける画面なしの薄型・軽量トラッカーは、運動や睡眠を妨げずに測定できる点で支持を広げている。GoogleのFitbit Airも一部不具合が報じられつつ品薄が続くほどの人気となり、今週にはGarminがサブスクリプション不要をうたう新製品「Cirqa」を投入し、大きな話題を呼んだという。
Galaxy Ringは2年間放置
こうした流れに対し、Samsungは今回のイベントでスクリーンレス型の新製品を発表せず、スマートリング「Galaxy Ring」も発売から2年間、後継機が出ていない状態が続いている。デジタルヘルス部門トップは「Samsung Healthの利用者は7,700万人を超える」と誇ったというが、健康トラッキング市場での存在感維持と、競合の動きへの対応との間にはズレが生じつつあるようだ。
エンタモ編集部の視点
健康機能だけで発表を組み立てたということは、腕時計型が「通知を見る機械」としての役割をスマートフォンに返しつつある、ということでもあります。画面を持たないトラッカーが伸びている理由は、測定技術の優劣ではありません。Galaxy Ringが2年動いていない点も、方針が無いというより、指輪はサイズ展開の数が多く在庫が読みにくいという事情が絡んでいそうです。
画面の無いトラッカーが強いのは、精度ではなく装着時間
睡眠や心拍を継続的に測るデバイスの性能は、センサーの精度だけでは決まりません。実際にどれだけの時間、体に着いていたかで結果が変わります。1日のうち数時間外れていれば、その間のデータは存在しないからです。
腕時計型はここが弱点になります。重さがあり、ベルトの跡が残り、寝返りのときに気になる。就寝時に外す人が一定数いて、その人にとって睡眠の測定機能は最初から働きません。指輪型や画面の無い薄いバンドが支持されているのは、この障壁が低いからです。
充電の問題も同じ方向に効きます。画面を持たなければ消費電力が下がり、数日から1週間持つ製品が出てきます。毎晩充電が必要な機器は、その充電時間がそのまま測定の空白になる。記事にあるGarminの新製品がサブスクリプション不要をうたって話題になったことも含め、この分野の競争軸は「高機能かどうか」から「意識せずに着け続けられるか」に移っています。Galaxy Watch9が健康機能に全振りしても、その軸では不利なままです。
出典:Android Policeより。翻訳・要約はエンタモ編集部。