フェラーリ代表バスール、ハミルトン残り12戦へ最重要課題を語る

F1第2026年シーズンは夏休みを終え、8月21日からのオランダGPで後半戦がスタートする。開幕11戦を終えた時点で、フェラーリのルイス・ハミルトンはドライバーズランキング2位につけ、首位のメルセデス・キミ・アントネッリとの差は50点。史上8度目となるタイトル獲得へ望みをつなぐ中、チーム代表フレデリック・バスール氏が今後の課題を明かした。
ハミルトンの現在地とコンストラクターズの行方
アントネッリ擁するメルセデスがシーズン序盤に圧倒的な強さを見せていたのに対し、フェラーリは徐々に巻き返しを図ってきた。バスール代表は「スペインGPまではメルセデスが独走していたが、その後の4〜5戦では我々の方が多くのポイントを獲得した」と説明。コンストラクターズ選手権でも両者の差は72点まで縮まっており、まだ逆転の可能性は残されている。
ハンガリーGPでの失敗から見えた課題
夏休み前最後のレースとなったハンガリーGPでは、フェラーリとハミルトンにいくつかのミスがあり、本来なら表彰台も狙えた実力がありながら5位でレースを終えた。バスール代表はこの結果を踏まえ「ハンガリーから結論を出すなら、課題は『実行力』だ」と指摘。加えて、パワーユニット面での改善の必要性にも言及し、「エンジン側の改善は必要で、必ず取り組む。エンジンの開発サイクルはシャシーよりもはるかに長い」と述べた。マクラーレンのランド・ノリスらライバル陣営からは、フェラーリのシャシーは今季トップクラスとの評価もあるが、パワーユニットの非力さが足を引っ張っているとの指摘が出ている。
後半戦へ向けた最重要ミッションとは
エンジンの改善に含みを持たせつつも、バスール代表が最も重視しているのはシャシー開発のペース維持だという。同氏は次のように語った。
「最も重要なのは、開発のペースを維持し続けられるかどうかだ」
マクラーレンが大型アップデートを一気に投入する方針であるのに対し、フェラーリは毎戦少しずつパーツを持ち込むアプローチを取っているとし、「残り12戦、まだ多くのレースが残っている。シャシーにはあらゆる面で伸びしろがあり、このペースを維持しなければならない」と後半戦への意気込みを示した。オランダGPはスプリント開催で、8月21日から23日にかけて行われる。
エンタモ編集部の視点
50点差を「まだ逆転可能」と語れるかどうかは、残り12戦という数字次第だ。バスール代表の冷静な現状分析は、序盤の劣勢から着実に差を詰めてきたフェラーリの地力への自信の裏返しでもある。ハミルトンにとって8度目のタイトルは、単なる記録更新を超えた重みを持つ。
開発力とタイヤ戦略が後半戦の鍵
スペインGP以降にフェラーリがポイントを積み増したという事実は、シーズン中の開発競争でチームが正しい方向に進んでいることを示している。F1のタイトル争いは、単発の速さより「終盤まで開発を止めない体力」で決まることが多い。ハンガリーでの失敗を課題として明確化できたこと自体が、後半戦での修正力に直結する。残り12戦、車の熟成とタイヤ運用の精度が明暗を分けるだろう。
予選のタイム差は、車の素の速さを測る物差しになる
決勝の順位は、戦略、タイヤの状況、他車との接触、天候といった要素に左右されます。速い車が必ず前でゴールするわけではありません。だから決勝結果だけを並べても、車の実力の推移は見えにくい。
そこで使えるのが、ポールポジションとのタイム差です。予選は一台ずつ最速のラップを出す場なので、他車の影響が比較的小さい。ここでの差は、車と走りの純粋な比較に近づきます。
記事にある「モナコまで平均0.442秒、バルセロナ以降は0.204秒」という数字は、その意味で信頼できる改善の証拠です。ただし注意も要ります。ライバルも同時に縮めているという点です。0.577秒から0.466秒へ縮めたチームがあるなら、自分たちが速くなっても相対的な位置は変わっていないかもしれない。改善幅と、順位への影響は別に見る必要があります。
出典:Sky Sports F1より。翻訳・要約はエンタモ編集部。