2026年9月10日(木)ENTAMO
世界のエンタメを、日本語で。
エンタメ

Netflix『FIFAワールドカップ』開発元、発売2カ月で従業員85%を解雇

2026年8月20日 19:00エンタモ編集部
スポンサーリンク

Netflix独占配信のサッカーゲーム「FIFA World Cup: Launch Edition」を手がけた開発スタジオ、Refactor Gamesが従業員の85%を解雇したことが分かった。ゲームの発売からわずか2カ月というタイミングでの大規模リストラで、業界内でも衝撃が広がっている。

パブリッシャーが資金を打ち切り

米メディアGamesBeatの取材に対し、Refactor Games代表のネイサン・バーバ氏がこの解雇を確認した。さらにInside Gamingの報道によると、パブリッシャーのDelphi Interactiveがスタジオへの資金提供を打ち切ったことが原因とみられている。同スタジオの元アートディレクター、バークレー・シャンテル氏もLinkedInで状況を明かし、次のように投稿している。

「Delphiは、私たちがNetflix向けにFIFAワールドカップのゲームを出荷した直後にRefactorスタジオを切ってしまった。スタジオ全体が本日解雇された」

初週150万人プレイも、評価は伸び悩み

「FIFA World Cup: Launch Edition」は、FIFAがEA Sportsとのライセンス契約を終了して以降、初めて「FIFA」ブランドを冠したゲームとして注目を集めていた。Game Fileの報道によれば、発売初週だけで150万人がプレイし、Netflixも2026年第2四半期の決算報告で「クラウドゲームとして最も成功したデビュー作の一つ」と位置づけていたという。

一方で、メディアAftermathは同作を厳しく批評したと報じられており、話題性と評価の間には大きなギャップがあったとみられる。同スタジオはもともと、アメリカンフットボールを題材にしたSteam早期アクセス作品「Football Simulator」を手がけていたが、ユーザー評価は高かったものの同時接続数は伸び悩んでいたようだ。

今後の展開は不明

「FIFA」ブランドとしては大きな期待を背負ったタイトルだったが、EA Sports時代のクオリティに届くかどうか懐疑的な声も少なくなかったと報じられている。今回の大量解雇により、今後のシリーズ展開やサポート体制がどうなるのか、注目が集まっている。

エンタモ編集部の視点

ヒット作を出したはずのスタジオが、発売2カ月で人員の大半を失うという事態は、現代のゲーム開発が抱える構造的な不安定さを浮き彫りにする。作品の評価と、スタジオの存続が必ずしも一致しないのが、この業界の厳しい現実だ。

パブリッシャー依存という開発現場のリスク

開発スタジオの命運が、資金を握るパブリッシャーの判断一つで左右される構図は、ゲーム業界に限らずコンテンツ産業に共通する課題だ。作品が世に出た後も、収益の見通しや親会社の方針次第で、現場は突然梯子を外されうる。作り手の雇用が守られにくい環境は、長期的には業界全体の創造性を損なう恐れもある。華やかなヒット作の裏側で、それを支える人々がどんな立場に置かれているのか——この一件は、そうした構造への視点を私たちに促している。

ゲーム開発会社が「出荷直後」に危なくなる理由

受託でゲームを作るスタジオは、パブリッシャーから出る資金で人を雇い、開発を進めます。つまり収入は契約単位で入ってくる形です。

この構造には弱点があります。納品が終わった瞬間に、次の契約が決まっていなければ収入が途切れるということです。開発中は人件費が先行し、完成しても売上はパブリッシャー側に入ります。スタジオの手元に残るのは、あらかじめ決めた開発費だけです。

配信サービス向けの独占契約では、この傾向がさらに強まります。売れた本数に応じた追加の収益が入らない形が多いためです。作品がどれだけ遊ばれても、スタジオの収入は変わらない。だから発売の2か月後という時期に大規模な解雇が起きます。作品の出来とは別のところで決まってしまう、という点がこの業界の難しさです。

出典:Polygonより。翻訳・要約はエンタモ編集部。

スポンサーリンク

Related